妊娠

ピルの種類と使い方

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ピルというと、少しハードルが高い気がしてしまうかもしれません。

でも、望まない妊娠をしてしまい、中絶するよりも、ずっと体にやさしい避妊法なのです。

最近では、超低用量のピルが出回るようになり、ピルを服用することによるリスクも減ってきています。

ここでは、ピルの種類と使い方についてご紹介します。

ピルは女性ホルモンを含んだ薬

ピルとは、卵胞ホルモンであるエストロゲンや黄体ホルモンを含む薬です。

一般的には、避妊薬としてのイメージが強いと思います。

避妊効果は、毎日正しく服用すれば、ほぼ100%に近い効果が得られる確実な方法です。

しかも、コンドームなど男性に頼らなければならない避妊法が多い中、ピルは女性が自分で確実に避妊することができる方法であることも特徴でしょう。

ピルの効果

避妊効果以外にも、ピルには以下のような効果があります。

  • 生理痛を軽くする
  • 生理の量を少なくする
  • 大人のニキビを改善する
  • PMSなど生理前の体調不良を軽くする
  • PMSなどの生理前の情緒不安定さを軽くする
  • 生理の回数を減らしPMSの症状が出る回数を減らす
  • 乳がん、卵巣がんのリスクが減る

このように、ピルには、女性にとってうれしい効果がたくさんあるのです。

ピルの副作用

どんな薬にも作用と副作用があります。

ピルの副作用は、以下のとおりです。

  • 血栓症になりやすくなる
  • エストロゲンの影響をうける腫瘍がある場合は腫瘍が大きくなってしまう
  • 頭痛、吐き気、乳房の張りや痛み、不正出血などの症状が飲み初めに出やすい

ピルを使えない人もいる

以下に当てはまる人はエストロゲン(卵胞ホルモン)を含むピルを使うことができません。

副作用である血栓症のリスクが高まり、脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの命にかかわる病気になってしまう可能性があるからです。

  • 卵胞ホルモンにより大きくなる腫瘍がある人
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する人
  • 50歳以上で閉経した人
  • 前兆のある片頭痛のある人
  • 過去に心筋梗塞や塞栓症などの血栓症になったことがある人
  • 遺伝的に血栓症になりやすい人
  • 治療されていない高血圧症、高脂血症、糖尿病がある人
  • 妊娠中、授乳中の人

慎重に判断しなければならない人は以下のとおりです。

  • 40歳以上の人
  • 肥満
  • 高血圧症、高脂血症、糖尿病で治療中の人、症状が軽い人

慎重に判断しなければならない人であっても、万が一、血栓症になってしまったときの影響は甚大ですので、ミニピルというエストロゲンを含まない黄体ホルモンのみが含まれているピルを使用することが多くなっています。

ピルの種類

ピルと一言でいっても、さまざまな種類があり、女性ホルモンの含有量によって使い方が異なります。

高用量ピル 現在はほとんど使われていない
中用量ピル 生理の時期を移動するために使われることが多い
低用量ピル 避妊、月経困難症や子宮内膜症の治療、大人ニキビの改善などさまざまな用途で使われる
超低用量ピル ほぼ低用量ピルと同じ目的で使用される。女性ホルモンの含有量が少ないので副作用が少ないという特徴がある

 

低用量ピルにも種類がある

 

低用量ピルもさらに、いくつかの種類に分けられています。

第1世代、第2世代、第3世代、第4世代と開発された順番による分類と、何相性かというホルモンの含有量の変化の有り無しによる分類があります。

大きな違いは、黄体ホルモンの種類が異なるので、微妙に効用が異なるのです。

それぞれの違いと特徴を表にまとめました。

世代 黄体ホルモンの種類 商品名 特徴
第1世代

(最も古い)

ノルエチステロン シンフェーズ

フルウェルLD

ルナベルLD

ルナベルULD

生理の量が少なくなりやすい

月経困難症に効果的

子宮内膜症の痛みにも効果的

ルナベルは月経困難症で健康保険適応

大人ニキビにも効果あり

第2世代 レボノルゲストレル トリキュラー

ラベルフィーユ

ジェミーナ

不正出血が起こりにくい
第3世代 デソゲストレル マーベロン

ファボワール

大人ニキビの改善に効果あり

多毛症の治療にも使われる

第4世代

(最も新しい)

ドロスピレノン ヤーズ

ヤーズフレックス

 

むくみにくい

月経困難症や子宮内膜症の治療で使われている

このように、同じ低用量ピルでもさまざまな種類があります。

どれが自分に合うのかよくわからない人は、婦人科を受診して医師に相談してみるとよいでしょう。

 

40歳以上の人や体重が多い人でも使える「ミニピル」

 

ミニピルを処方してくれる医療機関はまだまだ少ないのが現状です。

以前は、40歳以上の人でも低用量ピルを処方してくれていた病院が、最近では40歳以上であることを理由に、低用量ピルを処方してくれなくなってしまったケースが多いと言われています。

今までパートナーとピルを内服してそれ以外の避妊法を使ってこなかったカップルでは、突然、男性に避妊をお願いしても受け入れてもらえないことも多いでしょう。

一時期、40歳以上の人工妊娠中絶が増えた時期があるほどです。

そこで、一部の医療機関では、ミニピルの処方を開始しました。

ミニピルは、黄体ホルモンのみが含まれている薬で、血栓症を引き起こす原因となるエストロゲンが含まれていません。

40歳以上の人、肥満体型の人など、血栓症のリスクが少し高い人にも処方してもらえる貴重なピルなのです。

ミニピルは、休薬期間なく、ずっと飲み続けるタイプのピルとなります。

最初のうちは、不正出血が起こりやすく、他の低用量ピルよりも飲む時刻を厳密に守る必要があるのも特徴です。

 

緊急避妊薬として使うピル

 

レボノルゲストレルという名前の緊急避妊薬があります。

これらは、コンドームが破けてしまったなど避妊に失敗してしまったり、避妊に協力してもらえなかったりした場合に、セックスしたあと、なるべく早く内服することで妊娠を防ぐというタイプのピルです。

モーニングアフターピルとも呼ばれています。

その他には、ヤッペ法と言って、中用量ピルを4錠2回に分けて飲み、緊急避妊するという方法がありました。

しかし、レボノルゲストレルよりも避妊効果が低いため、最近では、あまり用いられなくなってきています。

 

ピルを上手に使って快適な毎日を

子宮内膜症の痛みや子宮筋腫などで生理が重い人にとっては、生理がくるのがとても憂鬱です。

生理のときだけでなく痛みが出たり、PMSやPMDDの人は生理前に1~2週間くらいつらい期間があります。

ピルを上手に使うことで、痛みやつらさが減ることが多いものです。

ピルを上手に使って快適な毎日を送ってみませんか?

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