最近では、仕事を続けて妊娠・出産を経験する人が増えてきています。
しかし、妊娠中はココロとカラダの変化が大きく、つらい思いをするケースも多くあるのです。
また、妊娠したときや妊娠中に職場の人たちとの関係をどう作っていくかも大切なポイントでしょう。
妊娠中の働き方について、解説します。
妊娠中の働き方どう考えてる?
妊娠中の働き方、と言っても、ピンとこない人もいらっしゃるかもしれません。
妊娠中には、ココロとカラダの不調が起こることもあります。
そういうときにどう対処するか、仕事の負荷についてはどうなるのか、妊娠中のカラダでも対応できるのか、安全に仕事ができるのか、などさまざまな観点から検討し、準備しておく必要があるでしょう。
妊娠中に就労している女性では、切迫流産や切迫早産が多いという調査結果もあるほどです。
特に、労働時間が長い人や夜勤がある人では注意が必要でしょう。
職場側に配慮を依頼できるようであれば、無理せずに、お願いするのがおすすめです。
例えば、看護師であれば、病棟勤務は夜勤があるので、外来勤務として日勤のみにするなどの配置転換を行うケースもあります。
無理だろうと諦めずに、相談してみましょう。
就業規則などを確認し、妊娠中に受けられる配慮や制度を調べる必要があります。
会社側が教えてくれることもありますが、自分で情報収集をしないとなかなかわからないこともあります。
同じように妊娠出産を経験している先輩などがいれば、経験談をきいてみるのもよいでしょう。
もし、小さい職場で過去に妊娠出産を経験した人がいない場合は、これから制度を作るようなケースもありますので、早めに人事担当者に確認する必要があるのです。
何事も早め早めに動くのがおすすめです。
妊娠中の働き方
妊娠しているときには、作業などでの配慮が必要な場合があります。
妊娠中の働き方について解説します。
産休・育休について知ろう
産休とは、産前休暇と産後休暇のことを意味します。
いずれも法律で定められた休暇で、誰でも取得することができるのです。
産前休暇とは、出産予定日の6週間前から請求すれば取得できます。
双子の場合は14週間前から取得可能です。
産後休暇とは、出産の翌日から8週間は就業できません。
産後6週間を過ぎた後、本人が請求し、医師が認めた場合は就業できます。
育児休暇とは、1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより子どもが1歳になるまでの間で希望する期間育児のために休業できます。
育児休暇は誰でも取得できるものではなく、一定の条件が定められていますので注意が必要です。
周囲に話すタイミングは?
妊娠していることがわかったら、完全に安定期に入るまでは周囲に言いたくない、と仰る人もいますが、つわりの時期などに周囲の人が気づくケースもあります。
つわりなどの体調不良がある場合には、正直に職場の人に妊娠していることを話しておいた方が配慮してもらいやすいでしょう。
また、職場に産業医や産業保健スタッフがいる場合には、社内での対応について相談するのもひとつです。
一般的には、妊娠がわかったらなるべく早めに職場の上司に報告します。
妊娠したということと、出産予定日を伝えることを忘れないようにしましょう。
現在の担当業務を続けていけるかどうか、難しい場合は早めに相談を
外回りの営業をしている人や、重いものを持ち上げるような作業がある人は、注意が必要です。
妊娠中に、お腹に力を入れるような作業を行うのは好ましくありません。
流産の原因になることがあるためです。
過敏になる必要はありませんが、できるだけお腹に力を入れるような動作を避けることができるよう、職場の上司や同僚に相談し、協力を仰ぎましょう。
職場の人たちも、万が一があってはいけないと意外と心配しているものです。
妊婦さん自身はあまり意識せず重いものを持ち上げようとしているのを職場の人がみつけて慌てて止めるような光景もよく見受けられます。
職場の人たちとの関係性にもよりますが、職場での作業が原因で流産してしまうなんてことは、職場の人たちも望んでいないでしょう。
そこは、素直に協力をお願いしてもよいところです。
もし、仕事中に下腹部の痛みや出血などの異常が起きた場合にも、無理は禁物です。
職場の上司にその旨を伝え、かかりつけの産婦人科に相談しましょう。
妊娠していても、つい仕事だからと無理をしてしまいがちです。
妊娠中は仕事も大切ではありますが、自分のカラダの異変を軽視せず、「大事をとって」くらいがちょうどよいと言い聞かせて早めに対処しましょう。
もし、職場へ配慮してもらわなければならないと医師が判断した場合には、「母性健康管理指導事項連絡カード」を医師に発行してもらい、職場の上司に提出すると理解を得られやすくなります。
母性健康管理指導事項連絡カードは、母子手帳にコピーできるページがある場合が多いものです。
ない場合は、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
診断書などを発行してもらうのもひとつです。
休憩時間に十分休む
社内にベッドのある保健室や横になれる休憩室のような場所があれば、休憩時間に横にならせてもらってもよいでしょう。
立ち仕事も座り仕事も意外と負担になるものです。
妊娠中のカラダへの負担が少ない姿勢は、横になっている姿勢です。
休憩時間はなるべくカラダを休めるようにしましょう。
産休育休の制度について調べ職場復帰の意思がある場合は上司に明確に伝えておく
妊娠中から職場の制度について調べることが大切です。
あとで調べようと思っていたら、切迫早産になり入院してしまった、などの事態もありうるからです。
必要な資料は手元に置いておきましょう。
産休育休の制度を使い、職場復帰を希望する場合には、職場復帰の意思をしっかりと伝えておくことが重要です。
職場側も育休明けに戻ってくる前提で人員配置を考え、仕事を回していく必要があります。
迷っている場合は、それを伝えましょう。
妊娠中は無理せず自分と赤ちゃんのことを大切にすることを意識しましょう
妊娠中であっても、仕事をしていると無理をしてしまいがちです。
しかし、無理をしたせいで流産や早産を引き起こしてしまうこともあります。
これは妊婦さんもそうですが、職場の人たちも悲しませることになってしまうのです。
自分でできる範囲のことは率先して周囲を手伝う姿勢を忘れずにいれば、必要な配慮をお願いすることを咎める人は稀でしょう。
対応に困るときは、一人で抱え込まずに職場の産業医、産業保健スタッフ、上司、人事担当者などにも相談しましょう。
同じ会社で妊娠出産を経験した先輩がいる場合には、経験談をよくきいておくのがおすすめです。