働き方

テレビでも取り上げられる“パタハラ”って?

働き方

「育児=女性の仕事」という考え方は、いまや過去のもの。最近では、「イクメン」という言葉にも表れているように、積極的に育児に参加する男性が増えてきています。今後を見据え、「育休を取って妻をサポートしたい」と考えている方もいることでしょう。

 

しかし、こうした流れのなかで「パタハラ」というワードも耳にするようになりました。テレビなどのメディアでもよく登場するパタハラとは、一体どのようなものなのでしょうか。男性の育休事情とあわせてみていきましょう!

 

パタハラとは?

 

パタハラとは?

パタハラは「パタニティー・ハラスメント」の略で、「パタニティー(Paternity)」は英語で「父性」という意味です。具体的には、男性が「父性を発揮する権利や機会を侵害する言動や妨害行為」、つまり男性の育児参加を阻む行為のこと。「育休取得や短時間勤務制度を利用したい」「フレックスタイム制度を活用したい」といった男性の選択に対する、妨害や嫌がらせなどが挙げられます。

 

なお、マタハラ(マタニティー・ハラスメント)も妊娠・出産・育児に関連するハラスメント行為。上司や同僚などが退職を促したり、精神的に追い詰めたりするケースが挙げられます。パタハラとは、その対象が男性か女性かという部分が異なります。

 

パタハラが注目される背景

 

パタハラが注目される背景

これまでの日本では、「夫は社会に出て働き、妻は家を守る」というスタイルが当たり前だと捉えられていました。ところが、近年では女性の社会進出が加速し、共働き世代の割合が増加しています。と同時に、「仕事と家庭の両立に苦労している女性を支えるべきだ」という意見も出てきました。

 

こうした状況を踏まえ、政府は男性の育児休業制度の整備に取り組むように。2017年に改正した育児・介護休業法では、事業主に対し育児目的休暇制度の新設を「努力義務」と示しています。

 

とはいえ、現状は男性社員の育児休業取得に法的な義務がありません。さらに、「育児は女性の仕事」という固定概念を変えることは難しく、育休取得を希望した男性が周囲から不快感や抵抗感を示されたケースが後を絶ちません。これまでに職場内で根付いた風土が、今日のパタハラを招いているのです。

 

男性の育休ってどのくらい取れてるの?

 

男性の育休ってどのくらい取れてるの?

続いて、男性の育休の取得状況についてみてみましょう。育休取得厚生労働省が示した「平成29年度 雇用均等基本調査」の結果概要では、男性の育児休業者がいた事業者割合(2017年度)は7.5%となっています。2013年度の3.4%以降は増加傾向であるものの、決して高くはない割合が続いているのが現状です。

 

なお、女性の育児休業者がいた2017年度の事業者割合は88.5%です。過去5年間においても85%前後と、ほぼ横ばいの状態で推移しています。男性の7.5%と比べると、その差は10倍以上。やはり、男性の育休取得は低迷している状況だといえるでしょう。

 

その一方、日本生産性本部の「2017年度 新入社員 秋の意識調査」によると、男性新入社員の約8割が「子どもが生まれたときには、育休を取得したい」と考えていることが分かりました。こうみると、現時点における理想と現実の差が浮き彫りになっています。

 

多くの企業が賛同し始めた「男性育休100%宣言」とは

 

多くの企業が賛同し始めた「男性育休100%宣言」とは

こうした状況のなか、株式会社ワーク・ライフバランスは企業トップに「男性育休100%宣言」を呼びかけています。これは、社内での男性の育児休業取得率100%を目標としている組織の代表に宣言してもらう、という取り組み。2019年から始まり、男性育休100%宣言をしている企業は現時点で100社に達しています。

 

とはいえ、最初からすぐにたくさんの賛同が集まったわけではありません。当初は「男が休む必要があるのか」と疑問を抱く男性経営者が多く見受けられました。

 

しかし、「産後の妻の死因の1位が自殺である」「産後うつのピークは出産後2週間から1カ月である」「妻の孤独な育児が幼児虐待を招きやすい」などのデータを示した結果、夫の育休の必要性に対する理解が深まり、宣言企業が増加。今では宣言企業同士で男性育休勉強会を実施し、ネットワークの強化や情報交換をしています。

 

こうした企業の動きが影響を与えるのは、社内だけではありません。厚生労働省が同じ夫婦を11年間追跡調査したところ、第一子の出産後に男性が育児家事に積極参加していた家庭は、第二子以降を出産する割合が高いということが分かりました。男性の育児参加は少子化対策に繋がり、社会全体にも大きな影響を与えると期待できるのです。

 

まとめ

 

男性の育児参加を望む声がある一方で、日本社会に深く根付いた「育児は女性がするもので、男性に育休は必要ない」という固定概念も存在します。こうした社内環境が変わらなければ、男性の育休取得状況の改善は難しいでしょう。

 

そのために大切なのは、パタハラのない社会を目指すこと。「男性育休100%宣言」に賛同する企業が増え、男性の育児に対する社会全体の理解が進めば、男性たちは安心して子育てに向き合えるはずです。さらに、育休を希望している男性の多さを踏まえると、従業員のモチベーションアップや離職防止、キャリア人材の獲得といった面にも期待ができるでしょう。

 

もちろん、共働き世帯の増加に伴い浮き彫りになった課題は、これだけではありません。最近では妊活に伴い必要な休暇を取得できるよう、厚生労働省からの働きかけも行なわれています。より妊活に取り組みやすくなるように、そして子育てがしやすいように、産休や育休以外の面でもサポートが求められているのです。

 

それぞれの企業の意識が変われば、会社の制度や周囲の捉え方にも変化が表れるはず。こうした流れを生み出すことが、子どもを望む夫婦、そして子どもを育てる夫婦が働きやすい社会へと繋がるでしょう。

 

女性を楽しく、楽に
女性を楽しく、楽に
タイトルとURLをコピーしました

キーワードから探すKeyword

生理痛労働基準法子育て子宮筋腫セルフケア心療内科・精神科妊娠の徴候性交痛ヨニケア生理用品出産子宮内膜症アロマココロの症状望まない妊娠リングケア方法ヨガ性感染症おりもの食事妊娠初期のサイン避妊の失敗リューブゼリーちつトレーニングセックスにおいリラクセーション妊娠検査薬緊急避妊薬うるおい不足女性ホルモン介護妊活かぶれ呼吸法人工妊娠中絶レイプ基礎体温乾燥アンダーヘア排便吹き出物生理の量が多い予期せぬ妊娠ピルホルモンバランス婦人科系疾患VIO脱毛排尿蒸れ頻発月経避妊メンタルタイミング法病気介護脱毛パタハラ月経カップ過多月経低用量ピル更年期の治療マタニティーブルーうるおいニオイ産休YONII更年期の症状ミニピルココロとカラダの症状サポート骨盤かゆみ育休生理用ショーツカウンセリング女性更年期の働き方婦人科疾患骨盤底筋フェムテックアンチエイジング吸水ショーツ運動育児検査30歳代以上生活習慣妊娠むくみデリケートゾーン治療仕事と家庭の両立自宅でできる検査生理更年期頭痛ボディソープ漢方妊娠中の働き方更年期の検査PMS生理不順貧血デリケートゾーン専用ボディソープホルモン補充療法生理前妊娠検査イライラPMDD性教育食べ物スソワキガ更年期障害の治療うつ女性ホルモン検査生理・PMS働き方プライベートゾーン乳がん生理がこない更年期障害妊娠超初期ファムテック