妊娠にともない、どんどん大きくなるおなか。
妊娠8か月程度になってくると、おなかに妊娠線ができることがあるのでご注意ください。
妊娠線は、産後に目立たなくはなるものの、痕はずっと残ります。
妊娠線のないきれいなおなかでいるために、早めの予防ケアで対策していきましょう。
この記事では、妊娠線の特徴や“正中線”との違い、おすすめの予防ケア方法などを詳しくご紹介します。
妊娠線とは
妊娠線とは、おなかにひび割れのような線が出ている状態を指します。
医学的には「皮膚伸展線条」「線状皮膚萎縮性」と呼ばれます。
妊娠中は、おなかの中で赤ちゃんがすくすく大きくなっていきます。
赤ちゃんが大きくなるぶんママのおなかも大きくなりますが、おなかの皮膚が体型変化に追いついていないと、おなかにヒビのような模様が入ってしまうのです。
真皮や皮膚の奥が裂けますが、そこから出血するわけではありません。
思春期でいうところの“肉割れ”と同じようなもので、痛みなどは無いのが特徴です。
妊娠中は赤やピンク色ですが、産後は白っぽくなり痕が残ります。
正中線とは
妊娠線と同じように、妊娠中はおなかまわりに「正中線」もできます。
正中線とは、黒っぽい1本の線のことです。
正中線は生理現象のひとつで、私たちが受精卵のころに細胞分裂を繰り返した名残といわれています。妊娠中かどうかを問わず、また性別を問わず、誰もが常に持っているものです。
そのため、おなかまわりに正中線ができても、特に異常というわけではないのでご安心ください。
妊娠中はメラニン色素の量が増えるので、皮膚に色素沈着が起こりやすくなります。
すでに私たちの体に存在している正中線にも色素が沈着するため、妊娠中は正中線が特に目立つようになるのです。
妊娠線は産後目立たなくはなるものの、完全に痕が消えることはありません。
しかし正中線は、産後には消えていきます。
妊娠線ができやすい人の特徴
出産しても妊娠線ができない方は少なくありません。
妊娠線には個人差があり、誰もができるというわけではないのです。
妊娠線ができやすいのは、痩せている方、小柄体型の方、双子など1人以上妊娠している方、乾燥肌、高齢出産の方など。
また、はじめての妊娠では問題なかったのに、2度目の妊娠で妊娠線ができた……という事例もあります。経産婦の方はおなかが大きくなるスピードが速いので、ひび割れを起こしやすくなるのです。
いつからケアすべき?
妊娠線は、日ごろからのケアで予防することができます。
おなかの膨らみが目立ち始めたら、妊娠線の予防ケアをはじめましょう。目安として、妊娠5~6か月ごろからがおすすめです。
妊娠線ができるのは、実はおなかだけではありません。
脂肪があるところには妊娠線ができやすくなるので、人によっては、おしり、太もも、足の付け根、わきの下、バスト、二の腕にできるケースもあります。
全身をくまなくケアして、妊娠線を確実に予防していきましょう。
特に臨月の時期は要注意。
大きいおなかで一挙一動さえ苦労する時期ですが、ここでケアをないがしろにしてしまうと、ある日突然に妊娠線ができてしまうかもしれません。
また人によっては、「出産当日まできれいなおなかだったのに、分娩が終わったら妊娠線ができていた」ということも珍しくありません。
他にも、出産時にいきんだことがきっかけでヒビ割れてしまったり、あるいは産後にバストが張ったせいでバストに妊娠線が……というケースも目立ちます。
大切なのは、妊娠5~6か月から産後までこまめなケアを習慣づけること。
「美は一日にしてならず」といいますが、妊娠線の予防ケアも同じなのです。
妊娠線予防方法
妊娠線の予防には、「スキンケア」「食事の見直し」がおすすめです。
それぞれ具体的に紹介するので、ぜひケアの参考にしてください。
■スキンケア
妊娠線を予防するクリームは、市場に多く流通しています。
おなかまわりを中心に、気になるところには丁寧にクリームを塗布しましょう。
その際、マッサージもおこなうとさらに効果的です。
たとえばおなかまわりは、クリームをたっぷりつけた手で、時計回りにやさしくなでるようにマッサージしてください。塗り込んだら、おなかを下から上になでましょう。その他の部位も、なでるようにマッサージしながら丁寧に塗りこんでいきます。
自分の体をいたわるということは、赤ちゃんをいたわるということ。
マッサージしている間は、おなかの中の赤ちゃんと対話する気持ちで、ゆったりおこなうのが良いでしょう。
■食事の見直し
妊娠中は、食の好みが大きく変わる時期でもあります。
普段ダイエットを意識している方でも、「ケーキ以外食べたくない!」なんて偏食を好んだり、「ケーキしか喉を通らない」とつわりに苦しみながら食べられそうな食事を探すのに精一杯……ということもあるでしょう。
しかし、急激な体重増加は妊娠線のリスクを高めるのでご注意ください。
さらに食事の内容によっては、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を招くこともあります。
体調と相談しながら、赤ちゃんのためにもできるだけヘルシーで栄養のあるものを食べるようにしましょう。
まとめ
妊娠線は、一度できたら一生消えることはありません。
産後薄くはなりますが、それでも痕はずっと残るのです。
妊娠線を予防するためには、日ごろからのこまめなケアが不可欠。
時にはパパにも手伝ってもらいながら、予防ケアを習慣づけていきましょう。