生理のときではなくても日々出るのが、おりもの。
おりものが原因でデリケートゾーンにかゆみが出たり、下着が汚れてしまったり……ということもあるでしょう。
しかし、おりものには女性の体を守ってくれる大切な役割があります。
おりものについて詳しく知れば、おりものを見ただけで日々の健康をセルフチェックできるでしょう。
おりものの役割
ちつは、常に外の空気に触れています。
もし空気中の雑菌がちつの中に入ったら、思わぬ病気にかかってしまうでしょう。
おりものは、ちつの中に雑菌が入るのを防いでくれます。
おりもののおかげでちつが常にうるおうため、雑菌の侵入をブロックできるのです。
また、おりものの中には体から排出される老廃物が含まれています。
私たちはおりもののおかげで、ちつの中を衛生的に保ててるのです。
なお、通常のおりものは、透明または乳白色で、無臭または少し酸味のあるにおいです。
量も日によって異なり、排卵期には増加して生理が近づくにつれて徐々に減少しますが、ストレスや生活サイクルなどでも変化します。
あなたのおりものの状態はいかがでしょうか?
もし上記に該当しないようなら、ちつからの“SOS”かもしれません。
セルフチェック!おりもの診断
「最近、おりものが変わってきた」と感じたなら、早めに医療機関を受診しましょう。
おりものには老廃物を排出する役割もあるため、違和感を覚えたら、それは体になにか異変が起きているということ。
放置すると悪化する恐れもあるので、どうぞご注意ください。
以下に、4つのセルフチェック項目を記載します。
該当するものがあったら、早めに対処しましょう。
おりものの量が多い
色は透明ではあるものの、あきらかに量が多いと感じたら、性感染症や雑菌性の膣炎などの可能性があります。
白くてボロボロしたおりものが多量に出る
カッテージチーズのようにボロボロしたおりものが出て、さらに強いかゆみも伴っているなら、膣カンジダ症の恐れがあります。
おりものの色が茶色・赤・ピンクのいずれか
おりものの色が茶色・赤・ピンクの場合、「妊娠の可能性の有無」で結果が変わってきます。
妊娠の可能性がない場合、子宮がんなど子宮系または卵巣系の病気が考えられます。
一方、妊娠の可能性があるなら基礎体温を計ってみましょう。もし36.7℃を超えているようなら、妊娠初期の出血かもしれません。
おりものの色が緑色または黄色
緑色または黄色のおりもので、さらに悪臭も伴っているなら、性感染症や雑菌性の膣炎などの可能性があります。
一方、排尿痛や下腹部痛があるなら、性感染症や尿路感染症が考えられるでしょう。
おりものが普段と違うと感じたら、2つのことを実践してみてください。
それは、「ちつの周辺を清潔に保つこと」と「生活習慣を見直すこと」。
これらを実践して1週間経っても改善されないようなら、早めに医療機関にかかりましょう。
おりものの変化で考えられる病気
少し酸っぱいにおいのおりものは、正常の範囲内です。
しかし鼻をつくような強烈なにおいや腐敗臭を感じたときは、炎症や性病など病気が隠れていることがほとんどです。
おりものの異常によって考えられる病気は、主に4つ。
「カンジダ症」「クラミジア感染症」「子宮頚管炎」「子宮頸部びらん」の4つの婦人科系疾患について、それぞれ詳しく紹介します。
カンジダ症
白くてボロボロしたおりものが出る場合、カンジダ症が考えられます。
膣やその周囲に強いかゆみや痛みを感じることも多く、人によっては排尿障害や性交痛の症状も現れます。
カンジダ症の原因は、常在菌の過剰繁殖。
常在菌自体は悪いものではないのですが、この数が異常に増えると病気につながってしまうのです。
常在菌の数は基本的に一定で、ちつの自浄作用によって安定したバランスを保っています。しかしホルモンバランスの乱れやストレス、疲労、薬の服用などで自浄作用が弱くなると、常在菌が爆発的に増えて、ちつ周辺に異常をきたしてしまうのです。
クラミジア感染症
ねばねばして悪臭の強いおりものが出る場合、クラミジア感染症の恐れがあります。
感染初期には自覚症状がほとんどないため、気が付いたときにはすでに症状が進行していた……というケースが目立ちます。
特に、不正出血や性交痛、下腹部痛がある場合にはご注意ください。そのままにしていると、卵管炎や子宮内膜炎、子宮頚管炎などを発症するかもしれません。
子宮頚管炎
白くて膿状のおりものが出るなら、子宮頚管炎の可能性があります。
症状が長引くと、色は次第に黄色くなり、悪臭も目立つように。
性交によって感染することもありますが、子宮頚部びらん(後述します)が悪化したケースがほとんどです。
子宮頚管炎を発症すると、ヒト・パピローマウィルス(HPV)の感染リスクが上がるといわれています。ヒト・パピローマウィルスは子宮頸がんの原因菌とされているので、おりものの異変に気がついたら早めに治療しましょう。
子宮頚部びらん
白色または黄色のねばねばしたおりものが目立っているなら、子宮頚部びらんが考えられます。
性交痛があったり、性交後に出血があったりしたら、子宮頚部びらんを疑いましょう。
しかし基本的に、子宮頚部びらんは病的なものではありません。
症状が軽度なら治療の必要はありませんが、症状がひどい場合、上記「子宮頚管炎」や性感染症などのリスクが高くなるため薬物治療または手術となります。
まとめ
婦人科系疾患にはいくつもの種類があります。
思わぬ病気を発症しないためにも、日ごろからのヨニケアを心がけましょう。
ヨニケアをすれば、ちつ周りの血のめぐりが良くなり、女性ホルモンも活性化。
ヨニケアを習慣づけて、婦人科系疾患とは無縁の健康な毎日をお過ごしください。