生理・PMS

【政府・女性活躍の重点方針】生理の貧困対策を支援

生理

女性に毎月訪れる、生理。
ただでさえ支出が厳しい月は、生理用品の購入さえ大きな痛手になるものです。

特にコロナ禍の現在、職を失った方も少なくありません。
女性というだけで生理のたびに金額を捻出しなければならないなんて、なんだか理不尽でしょう。

このような実態に、世界の国々が動きはじめました。
この記事では、日本や外国の「生理の貧困対策」について詳しく紹介します。

政府が生理の貧困対策を重点方針に追加

日本政府は、地方公共団体を通じて生理用品を無償提供する政策を打ち出しました。地域女性活躍推進交付金にて購入された生理用品は、学校、福祉事業所、ハローワークなど地域の施設へ配布されます。

配布状況はそれぞれの自治体ごとに多少の差はありますが、一部の地域だけに偏らないよう、政府は「横展開」も推進。取り組みの現状をすべての自治体で共有することで、均一なサービスの実現を目指しています。

「配布」だけに留まらず、具体的な相談支援もおこなうのがこの政策の大きな魅力です。
大人の女性から女児まで、それぞれが抱える事情に丁寧に向き合いメンタルもサポート。困難な状況に身を置くすべての女性たちを支えていきます。

この「生理の貧困対策」は、政府が推進する「女性活躍の重点方針」のひとつでもあります。それぞれの省庁は、女性が活躍するような政策を毎年取りまとめているのですが、コロナ禍の現在は特に注力。官民を問わず幅広い分野で女性が活躍できるよう、さまざまな政策を練っているのです。

「男性は外で働き女性は家を守る」という風潮は、過去の話。
働き方改革がさけばれる昨今、女性の社会進出とともに、女性特有の悩みもフォーカスされるようになりました。あまり活用されることのなかった「生理休暇」に対してもその重要性が見直されたり、生理にともなう毎月の出費にも救済策が設けられたりするようになったのです。

男だから・女だからで片付けるのではなく、互いに理解して補い合いながら、一人ひとりが活躍できるような社会を目指していきましょう。

海外事例:スコットランドは生理用品を全ての人に無料提供

生理用品の無償配布を初めて実施したのは、スコットランド。
2020年11月、スコットランドの議会は「生理用品の無償配布」に関する法案を可決しました。その背景には、やはりコロナの影響がありました。
法案を提出したモニカ・レノン氏は、2016年から生理の貧困をなくすための活動を開始。しかしコロナにより事態はさらに深刻化。レノン氏は、「パンデミックでも生理は止まってくれない。多くの女性たちにとって、今までにないほどの重大な危機だ」といいます。

スコットランドでは、1回の生理に必要な用品をそろえるのに約1,100円が必要とされています。しかし経済的に困窮している家庭は、その費用を毎月捻出するなど困難そのもの。さらにスコットランドの女性は「生理用品を買うのは恥ずかしい」と考える風潮が強く、特に若年層の女児のうち25%は「購入に苦労している」「そもそも恥ずかしくて購入できない」など生理用品の入手に高いハードルを感じているそうです。
このような現状を受けて、レノン氏は「使い捨てではなく再利用できるような生理用品が必要だ」と提唱しました。

法案の可決により、スコットランド政府は520万ポンド(日本円で約7億2600万円)を財源として確保。低所得者向けには、慈善団体を通じて配布できるよう50万ポンド(約7000万円)を拠出しました。さらに、地域の公共施設でも配布できるように地方議会に400万ポンド(約5億5800万円)も提供。スポーツクラブなど女性がよく利用する施設にも設置できるよう、5万ポンド(約700億円)も投じました。

政府の政策を受けて、個人的に賛同する企業も増えつつあります。たとえばレストランやパブなどでは、オーナーの善意により生理用品を無償提供。低所得世帯はもちろん、購入に抵抗を感じている女性たちからも喜ばれています。

数多くの支援を経て、スコットランドの女性たちの生理に対する意識は変化していきました。現地の女子学生たちはこのように語ります。「生理になると何もできません。学校も生理が終わるまで休むことが多く、勉強に追いつけず思い悩みました。でも、学校で月経カップが配られてから私の生活は変わりました。生理になっても、自分の好きなように行動できるようになったのです。」

彼女たちは、生理用ナプキンを購入する機会は少ないといいます。生理になると下着を2枚履いたり、古い布切れや脱脂綿を当てるだけのことも多いのだそう。

「月経カップはとても画期的です。1個あれば10年は使えますから。生理のたびにお金がかかることもなくなるし、購入の恥ずかしさもありません。ゴミも出ないので地球のためにもなります。」

月経カップの使い方は、学校の授業で習います。講師を招いて、女子学生はもちろん、男子学生もいる前で使用手順について教えるのです。

「月経カップは、経血もにおいもすべて吸収してくれます。ナプキンと違って周囲に使用をバレることもないので、本当に快適です。今までは生理にネガティブなイメージがありましたが、月経カップがあれば私の悩みはすべて解決できました。」

生理・PMSなど、女性特有の悩みは誰にでもあるもの。生理中の大変さはもちろんですが、生理前の1~2週間はメンタルのバランスが崩れすい時期でもあります。
ひと月のおよそ半分を、「生理」に縛られる女性たち。男性も女性も、生理・PMSの悩みを分かち合って、一人ひとりが暮らしやすい社会をつくっていきましょう。

まとめ

生理・PMSは、女性がひとりで抱えがちな悩みでした。
しかし最近では、日本でも世界でも、「生理」に対する認識が見直されつつあります。

生理に対する物理的支援だけではなく、生理用品の使い方の授業にも男子学生が参加したり、生理休暇の取得を推進したりする企業も目立ってきました。

生理について正しい知識が広まれば、それだけ女性たちが生きやすい世の中になります。さまざまなサービスを活用して、「憂鬱な期間」を快適に乗り越えていきましょう。

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