女性のみなさん、突然ですが「正しいトイレの仕方」は知っていますか?「そんなの、排尿や排便の後にトイレットペーパーで拭くだけでしょ?」と思った方も多いのでは。実は、間違ったやり方を続けている人が意外と多く存在しているのです。
間違ったトイレの仕方を続けていると、デリケートゾーンのトラブルの原因になってしまう可能性も!気が付かないうちに、お子さんにも間違った方法を教えてしまっているかもしれません。
いま一度、正しいトイレの仕方を親子で確認しておきましょう!
親も知らない?!正しい排尿の仕方・拭き方
「後ろから前に向かって拭くと、雑菌が入ってしまう」という理由で、排尿後は前から後ろに向かって拭いている人が多いのではないでしょうか。一般的な拭き方のように聞こえますが、これではうまく尿を拭き取ることができません。
さらに、尿で濡れたトイレットペーパーが紙くずになり、尿道や膣の内部に入ってしまう恐れもあります。その結果、炎症が起こり、頻尿や尿漏れが発生するケースも。とくに紙質が悪いものは紙くずになりやすいため、注意が必要です。
排尿後の正しい拭き方は、トイレットペーパーで「吸い取る」だけ。ゴシゴシと拭くのではなく、下から5~10秒ほど押し当てるのです。その間、手は動かしません。
また、デリケートゾーンへの刺激や紙くずの発生を減らすため、トイレットペーパーは2枚以上に重ね、ふんわりとした状態にしましょう。日常的に使うトイレットペーパーは、肌触りがよく質のいいものを選ぶのがベター。外出先でも使用できるよう、水に流せるタイプの紙を携帯するのもいいですね。
さらに、足を閉じた状態で排尿すると、外陰部に尿が付着したまま残ってしまいます。その尿が膣の内部に入ってしまうと、炎症が起こり悪臭の原因になることも。尿をまっすぐ出すため、排尿時は大きく足を開き、上半身を前に傾けましょう。
正しい排便の仕方・拭き方
続いて、排便した後の流れもみていきましょう。排尿時と同様に、お尻をゴシゴシと拭くのはNG。何度も拭いていると肛門に負担がかかってしまうので、拭く回数はできるだけ抑えましょう。排尿時と同じくトイレットペーパーをふんわりと包んだら、手を後ろから回し、後方に向かって動かします。
何度も拭いているのに便が取れない場合は、排便後に肛門を締めるよう意識してみてください。排便中に外に出ていた直腸の粘膜を、内側にキュッと戻すようなイメージです。
また、力いっぱいいきむと、肛門に大きな負担がかかってしまいます。さらに、長時間にわたって座り続けていると、血行不良になる恐れも。どちらも痔の原因に繋がるため、排便は1分ほどで済ませるようにしましょう。
コツは、やや前かがみでつま先立ちをするような姿勢になること。上半身を少し前に倒すと、直腸と肛門の角度が広がるので、便を排出しやすくなります。自然と腹圧がかかるので、いきむ必要はありませんよ。
正しい温水洗浄便座の使い方
本来の膣内は酸性で、雑菌の侵入を防いでいます。ところが、温水洗浄便座の洗浄によって中性になると、必要な常在菌が減少し雑菌が繁殖しやすい環境に。それにより、膀胱炎や膣炎などのトラブルが懸念されます。これらの症状が出ている方は、ウォシュレットやビデの使用を一時的に見合わせましょう。
また、排便前に水圧で刺激を与えて、便意を促す行為もよくありません。温水洗浄便座を使う本来の目的は、あくまでも洗浄です。刺激やマッサージとしての使用は控えましょう。
さらに、肛門の奥にある直腸まで洗ってしまうと、粘膜が洗い流されて細菌が入ってしまいます。その結果、炎症や痔、そして大腸炎を引き起こす可能性も。水の勢いは弱めに設定しておき、使用時間は10秒以内にしておくと安心です。
トイレットペーパーだけで汚れが落ちない場合は、赤ちゃん用のおしりふきやデリケートゾーン用のウエットシートで優しく拭き取るのもいいですね。
正しいお風呂での洗い方
お風呂で体を洗う際も、デリケートゾーンは優しく扱いましょう。タオルで強く擦る、剃刀でムダ毛処理をする、爪を立てて掻くといった行動は控えて。洗浄力の高いボディソープは、膣内の自浄作用を壊してしまう恐れがあるため、避けておきましょう。「これはいいのかな」と判断に迷ったら、「顔にしない行為はデリケートゾーンにもしない」を基準に考えてみてくださいね。
そして、洗う際は優しく泡でなでるようにすること。とくに女性器にあるヒダは、垢がたまりやすい場所です。大きく開脚し、ヒダの間もきれいに洗いましょう。
汚れがたまりやすいうえに、洗浄力の高いボディソープの使用は向かないデリケートゾーン。でも、できるだけ清潔な状態に保っておきたいですよね。そこで、デリケートゾーンには専用の製品を使うのがおすすめです。大切な場所を優しくケアしつつ、必要な水分は残してトラブルをしっかり予防できますよ。
まとめ
正しいトイレの仕方を知って、「今までずっと間違った方法を続けていた…」と驚いた方も多いのではないでしょうか。デリケートゾーンは、日々の負担や細菌の影響によって炎症になりやすい部分。温水洗浄便座の使用やお風呂での洗いすぎも禁物です。
いま一度、ご自身のトイレでの動作を確認してみましょう。トイレットペーパーの質や、排尿や排便時の姿勢も要チェックです。
デリケートゾーンの扱い方の大切さは、小さいお子さんにおいても同様です。ぜひ、お子さんにも正しいトイレの仕方を教えてあげてください。親子でデリケートゾーンの扱い方を話し合ったり、専用のボディソープを共有してケアしたりするのもいいですね。